障害年金について

障害年金について

障害年金基礎知識

ここでは、障害年金とその関連知識について、簡単にQ&A形式で復習しておきましょう。

Q1.障害年金の受給要件とは?
A1.初診日要件、保険料納付要件、障害認定日要件の3つです。
①初診日要件とは、被保険者の期間に初診日があることです
②保険料納付要件とは、保険料をキチンと納めていないと駄目ですよということ。
③障害認定日要件とは、初診日から1年6ケ月を経過した時点で、一定の障害状態にないと駄目ですよということ。
Q2.年金制度の被保険者期間に初診日がないと駄目だとすれば、20歳前に初診日がある場合は、年金は受給できないのですか?
A2.いいえ、受給できます。
障害認定日が20歳前の場合は、20歳になった時点で、 障害年金がもらえます。
ただし、厚生年金の場合は20歳未満でも加入できますので、20歳未満でももらえるケースがあります。
Q3.厚生年金は「加入期間と収入による」ということは、加入期間が短いと、いただける金額はごく僅かということですか?
A3.いいえ、そんなことはありません。加入期間が短い場合でも最低300ケ月分の最低保障があります。
Q4.障害年金には時効はありますか?
A4.はい、5年を経過部分は、時効によって消滅します。
Q5.仕事中の事故で障害を負ったのですが、障害年金をもらうと、労災からの給付は受けられないと聞いたのですが・・・?
A5.たいへんな間違いです。
労災の方が一定の減額をされますが、同時にもらえます。このような情報は、大変残念なのですが、多くの場合、会社の関係者が労災の申請をしたくない(きつい言葉で記すと「労災隠し」)ために、このような誤った情報を伝えることがあります。
一所懸命仕事をした結果、障害を負ったのです。請求できるものは堂々と請求しましょう。

よくあるご質問

つぎに、よくあるご質問についてもQ&A形式でご案内したいと思います

具体的な年金額

Q1.実際に、障害年金はいくらもらえるのですか
A1.以下のとおりです
1 級 ①障害厚生年金  報酬比例の年金額×1.25
②配偶者加給  224,500円
③障害基礎年金  975,100円
④子の加算  224,500円  3人目以降は 74,800円
2 級 ①障害厚生年金  報酬比例の年金額
②配偶者加給  224,500円
③障害基礎年金  780,100円
④子の加算  224,500円  3人目以降は 74,800円
3 級 障害厚生年金
報酬比例の年金額か585,100円のいずれか多い方

※厚生年金の場合は①~④まで受給できます
※国民年金の場合は③・④を受給できます
※②・④については条件に該当する配偶者や子がいる場合
3級は厚生年金にしかありません

報酬比例の年金額

Q2.報酬比例の年金額とはどのようなものですか?
A2.報酬比例の年金額とは、簡単に記しますと、お給料と勤務していた期間をもとに算出した年金額と言っていいでしょう。ですから、金額はひとそれぞれです。一応計算式は以下に示しておきますが、細かい計算が必要ですので、正確な金額は年金事務所でご確認いただいた方がいいでしょう。
{(平成15年3月までの平均標準報酬月額)×0.0075×(平成15年3月までの被保険者期間の月数)+
(平成15年4月以後の平均標準報酬月額)×0.005769×(平成15年4月以後の被保険者期間の月数)}×1.031×0.981

障害年金全体について

Q3.障害年金の制度と障害者手帳の制度とは別のものですか?
A3.はい別の制度です。
ですから極端なことを言えば、障害者手帳があっても、障害年金が認定されるとは限りませんし、またその逆の可能性もあります。
Q4.Q3との関連ですが、お医者さまは障害者手帳のことは、はっきりとおっしゃっていただけるのですが、障害年金のことになると歯切れが悪くなるのですが・・・?
A4.結論から申し上げますと、「指定医制度」というもので、かかりつけのお医者様に権限があるか無いかの差です。
障害年金は、障害年金について審査する「認定医」というお医者様がいて、かかりつけのお医者様には認定する権限がないからです。

年金事務所で足止め?

Q5.年金事務所に障害年金の請求をしようと、書類をいただきに行ったら、加入していた年金制度や、病院に初めてかかった初診日、など細かく聞かれ、なかなか書類をくれないのですが・・・?
A5.障害年金を請求するにあたっては、初診日の当時、どの年金制度に加入していたのか、保険料は漏れなく納められていたか、きちんと初診日が確認できるか、等が非常に重要になります。
また障害の部位によっても診断書が異なります。ですから、安易に書類を渡してしまって、全て書類を調えた後で、「要件を満たしませんよ・・・」ということにならないように、慎重に対応しているのです。これは障害年金を受給するための第一関門と言ってもいいでしょう。

はたして年金はもらえるのか?

Q6.実際に障害年金がもらえるか否かは、どう判断すればいいのですか?
A6.おそらく、確実に1級あるいは2級に該当しそうな方は、このような質問はなさらないのですが、結論を記すと、1番重要なのは、お医者様の診断書です。
そこから概ね判断はできます。そして、それを補完するように申立書が重要になります。ただし、微妙な案件の場合は、確実に判定することはなかなかできません。障害年金は書類審査ですので、説得力のある書を準備することが肝要です。
Q7.障害年金は精神の障害でもいいのでしょうか?
A7.はい、精神疾患でも対象となります。
例えば、うつ病、そううつ病、統合失調症などが代表的です。

繰り上げ受給と障害年金の請求について

Q8.老齢基礎年金を繰り上げ請求すると、障害年金は請求できないと聞いたのですが本当ですか?
A8.決して間違ってはいませんし、むしろそのような説明を受けることも多いでしょう。
ただし、初診日に被保険者であったか否か、などの条件によって異なります。老齢年金を繰り上げ請求するときに、きちんと状況を説明し、確認することが必要です。

障害年金は1度しか請求できないのか?

Q9.障害年金は、一度請求して不支給となると、もう請求することはできないのですか?
A9.そのようなことはありません。
何度でも請求できます。ただし、障害年金の請求は「数撃てばあたる」というものではありません。同じような書類を揃えて、また請求しても、おそらく同様の結果になるでしょう。事前にしっかりと対策を立てることが大切です。